戸田幸紀の鬱ちゃんバイブル #8|現金決済

こんにちは。

“うっちゃん”(ポップな鬱を抱える人)27年目、戸田幸紀です。

鬱というほどには重くない。でも心はとっくに限界を迎えている。シリアスではなく、ポップな鬱人のこと、そんな人を僕は“うっちゃん”と呼んでいます。

 

 

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先週、2年越しの夢を叶えた。

 

遂に気になっていた、いい感じのカフェに入店することが出来たのだ。

 

そこは4人掛けのカウンター席しかなく、20代後半くらいの若い寡黙なマスターが営むひっそりとしたコーヒーショップ。

かねてから入りたいと思っていたが、一見さんお断りの雰囲気を勝手に感じ、中々勇気がでず2年が経過してしまっていたのだ。

 

実際入ってみると、そこに常連を囲い込むような内輪独特の雰囲気は無く、ひょうひょうとしたマスターが黙って仕事をする洗練された空間であった。

穏やかな気持ちで読書に集中できる理想的な空間と言って良い。

 

僕はなんで2年間も無駄にしてしまったんだ、、

過去の自分に激しく後悔し、人生に与える“勇気”と“時間”の影響の大きさを肌で痛感した。

 

 

 

先日、このお店でお会計をする際、大きな学びを得ることが出来た。

現金決済しかできないそのお店では毎回、「現金の授受」というコミュニケーションが発生する。

 

普段、私はお釣りの手間(コミュニケーション)を避ける為、毎回近くのコンビニでお金を崩し、ブレンドコーヒーにぴったりの金額、500円を用意して入店する事にしていた。

僕なりの密かなお店への気遣いのつもりであった。

 

しかしその日はあろうことか、“前裁き”を忘れてしまった。

奇跡的に500円は持ち合わせていたが、百円玉3枚に五十円玉3枚、そして十円玉が5枚とかなり不格好な始末だ。

自分のお気に入りの場所くらい、最大限の敬意を持って通いたい。。

偽善すらも全うできない自分に憤りを感じた。

申し訳ない雰囲気を醸し出しつつ、「すみません、、」といってマスターに渡した。

 

でもマスターの一言に救われた。

「細かいの、助かります。」

 

あ、そうか、、、

現金決済においては十円玉だって役に立つ。

財布にいると嵩張るだけで何かと迷惑がっていたが、彼にも活躍できる場面があるのだ。

そして僕は決してお店に迷惑をかけていない。

むしろお気に入りの場所に少し貢献ができた。。。

いろんな意味でマスターに救われた気がした。

 

気遣いは難しい。

あらゆるステークホルダーに貢献する事の奥行きを学ぶことが出来た。

 

 

僕はキャッシュレス推進派である。

キャッシュレスの何がいいって、
画面に集中するフリをして、やんわりとしたコミュニケーションで逃げることが出来る。

「現金の手渡し」という絶妙な距離感のコミュニケーションを避けることが出来る。

 

 

色々書いていて思った。

「細かいの、助かります。」

 

。。。。。。

。。。。。。。。。。。。。

まって、、、、もしかしてこの言葉自体がマスターの気遣いだった、、、?

ホントは「めんどいなこいつ」と思われていた、、、、、?

 

しばらくあのカフェにはいくことを控えよう。。そんなことを思った。

 

 

戸田 幸紀

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